国では来年度予算編成作業が始まっていますが、支援費制度におけるホームヘルプサービスの予算が概算要求の段階でどれだけ確保できているのかは、まだ不透明です。
日身連では現在、こうした厳しい状況を踏まえ、中央障害者関係団体と協議の上、国に対する要望活動を活発に展開していますが、8月8日には、全日本手をつなぐ育成会、日本障害者協議会、DPI日本会議の4団体代表者の連名により、来年度予算編成にあたって支援費制度予算やホームヘルプサービス予算の拡充などを訴える要望書を坂口力厚生労働大臣に提出しました。
主な要望点は以下のとおりです。
Ⅰ 支援費制度予算の拡充
1.2003年度予算は11か月予算であり、2004年度予算は平年度(12か月)化を行った上で、支援費制度導入後の支給決定量に応じた利用サービスの増加状況を踏まえ来年度予算を確保すること。
2.障害者基本計画では地域移行を掲げており、今後、施設サービスを使っていた人が、一定の数で地域生活支援関係のサービスを利用していくこととなる。介護保険では、施設と在宅の予算比率は6対4であり、支援費においてはその比率は8対2である。
支援費においても介護保険と同様に地域福祉により基盤をおくような具体的な政策を示すこと。
3.施設から地域移行を促進する在宅の受け皿づくりの具体化を図るために、在宅サービスのメニューの拡大及びサービス量の拡充を行うこと。
Ⅱ 居宅介護(ホームヘルプサービス)の予算の拡充及び国庫補助基準の見直しについて
1.1人暮らし、障害者のみ世帯等の場合で家族の介護が得られない重度障害者等の緊急性の高いホームヘルプのニーズに対して必要なサービス量を確保すること。
2.2003年度に設けられたヘルパーの国庫補助基準について、各地域の実態を踏まえて改善を図ること。
現在、人口規模が小さい市町村では重度障害者1人への派遣でも国庫補助基準を超えてしまうという問題がおこっている。また、福祉施策が整備されていたためにこれまで近隣市から重度障害者が移転してきた市町村においては1人暮らし障害者や障害者のみ世帯が多いため、今回の国庫補助基準では財政負担が重く、サービスの切り下げが起こっている。従って、市町村の人口規模や1人暮らし障害者や障害者のみ世帯の数に配慮した国庫補助基準の見直しが必要である。
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