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新バリアフリー法、改正学校教育法などが相次いで成立 2006/06/23
  6月18日に第164回通常国会が閉会しましたが、会期末が迫り、福祉関係の法案も相次いで衆参両院で採決がおこなわれ、成立を見ています。
 先日お伝えした住生活基本法に加え、新バリアフリー法など福祉・社会政策関連で新たに成立した主な法律は、以下のとおりです。
高齢者障害者移動円滑化促進法(新バリアフリー法)
改正学校教育法
自殺対策基本法
がん対策基本法


高齢者障害者移動円滑化促進法(新バリアフリー法)

 公共交通機関の旅客施設などのバリアフリー化に関わっていた「交通バリアフリー法」と、病院や宿泊施設など一定規模以上の建築物のバリアフリー化に関わっていた「ハートビル法」が統合され、「高齢者障害者移動円滑化促進法(新バリアフリー法)」となりました。
 これにより、鉄道駅や周辺道路、建築物などの一体的なバリアフリー化が進められるものと期待されます。 
 また、各自治体では地区ごとの基本構想を、障害者なども含む住民らからの意見を踏まえて、策定することになります。
 このほか、今年1月に社会問題化したビジネスホテルチェーン「東横イン」(西田憲正社長)による障害者用宿泊施設の不正改造・人権侵害事件を受けて、
自治体の施設改善命令に従わない建築主などに対する罰金の上限(100万円)が、300万円に引き上げられました。


改正学校教育法

 改正学校教育法では、「特殊教育」から「特別支援教育」への転換を図り、養護・盲・ろう学校を「特別支援学校」に一本化されます。
 複数の障害のある児童への対応や、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害児への教育現場での支援をおこなうことも盛り込まれています。
 しかし、児童や両親が本人の意思や特性を判断し、普通学校に進むかどうかを選択し、自己決定することの保障された「インクルージョン教育」が、国際的な潮流になっているなかで、踏み込んだ改正はおこなわれませんでした。国連・障害者権利条約案が1、2年以内には採択に至る見通しで、今後の大きな課題となりそうです。


自殺対策基本法

 長期化した不況や格差社会の到来など、さまざまな要因が絡み、わが国の自殺者数はここ10年近く、年間3万人を突破しています。
 自殺対策基本法では、自殺対策の実施主体として国や自治体に加え、医療機関、事業主、学校、民間団体などを挙げており、相互の連携と総合的な取り組みが必要であることを規定しています。
 社会福祉分野においても、障害者や高齢者、家族など関係者の自殺や自殺未遂行為は最早めずらしいことではなく、身近な地域の中での支援ネットワークが構築されていれば、未然に防止できたと思われる事例も少なくありません。
 今後、政府が中心となって、自殺防止の研究調査や情報提供、「こころの健康」を守るための体制整備、必要な医療の提供、自殺に至る可能性の高い人の早期発見・早期予防などのほか、遺族へのメンタルケアなどの体制整備が進められることになります。

 
がん対策基本法

 がん患者が居住地にかかわらず高度で適切な医療が受けられる体制整備と、患者本人の意思を尊重した医療提供システムの確立などをめざして成立した法律で、国と地方自治体の責務として、「がん対策推進基本計画」を5年ごとに策定することが規定されました。
 具体的な取り組みでは、がん検診の質の向上、がん専門医の育成、予防啓発などを掲げているほか、患者本人や家族などで構成される「がん対策推進協議会」が厚労省内に設置されます。また、政府が基本計画を策定する際に、この協議会の意見を聴くことが定められています。



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社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会
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