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「就業セミナー・働く障害者からの声ＩＮしずおか」報告
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はじめに、主催者側を代表しまして、日本身体障害者団体連合会評議員、静岡県身体障害者福祉協会小林眞会長からは、「今年度第２回目のこのセミナーが静岡市で開催されたことを意義あることと思います。障害者施策は、障害者権利条約の批准、障害者基本法の改正、障害者自立支援法の改正問題等いろいろな課題を抱えている時期であります。障害者の就業は地域生活をすすめ、自立を果たしていくための基礎であると思います。今日のセミナーを通じて、福祉分野と労働分野の各関係者と重度の障害をもちながら就業の場を得て活躍している障害者ご本人が参加しておりますので、意義のある集まりになることを期待しております」と述べられました。
講演では、日本身体障害者団体連合会、職業自立等相談員の小野隆氏より「障害をもつ人の〈働く〉ことをめぐって考える ～「働く」ことの意義と歴史」と題して、働くことについて、「働く」ことに関してのわが国固有の問題点を前提にしながら、日本の明治期から第２次世界大戦終了までの障害者と職業の歴史、太平洋戦争後の障害者施策の新たな展開にふれながら、旧厚生省から労働省が設立され、福祉行政と労働行政の別組織による所掌がとくに障害者の「働く」問題に関しては課題を残し、今日でも「障害者自立支援法」と「障害者の雇用の促進等に関する法律」の谷間に、「福祉から雇用へ」の大きな制度的問題を残しており、これからの障害者の就業( 就労・雇用)に課題となることなどについて話されました。
つぎに、パネルディスカッションは「障害をもつ人の＜働く＞ことをめぐって考える」をテーマに行われました。
パネラーとして、静岡障害者職業センター主任障害者職業カウンセラー中島純一氏、ひかりの園工房めい施設長兼根洗寮長高木誠一氏、静岡市障害者協会 静岡市障害者相談支援センター小久江寛氏の３名を招き、中島氏からは、わが国の障害者雇用施策の概要について特に障害者雇用率制度、雇用納付金制度、障害者の雇用状況の特徴的な点をめぐる説明が行われ、ついで静岡県における障害者雇用の実情などに触れられました。
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障害当事者である小久江氏からは、受傷の経緯や、就職に至る経緯、また職場でのご本人の努力、環境、同僚、上司の理解など、取り巻く環境とご自身の関係が話されました。その中で、特に「働く」ことを希望する人は好きなことを見つけ、目標を立てて実力をつけ努力することの大切さを強調されました。自身の経験はデザイン関係に関心を強く持っていたので、専門的な教育機関で学びながら、実力をためすために静岡県を代表して全国障害者技能競技大会( アビリンピック)に参加し、さらに先年静岡市を中心にして開催された国際アビリンピックに日本代表として参加し、銀賞の栄誉に輝くことができたが、これらがすべて自分の「働く」ことの支えとなっているとの話がされました。
パネルディスカッションの中での意見交換では会場の参加者から各パネリストに対して、自らの体験を通して得られたことへのアドバイス、静岡県における支援システムの在り方に対する意見、現在の障害者雇用制度に関する問題提起などがあり、活発な会となりました。
最後に、日身連森常務理事より「障害者権利条約」の理念を体現した法制度の確立、「障害者雇用促進法」に関して合理的配慮という問題をいかに具体化していくことがこれからの課題であり、障害者の雇用の促進に大きな力となる等と話され、私たちも努力をして行きたいと締めくくりました。
社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会
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