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厚労省 来年度ホームヘルプサービス国庫補助削減方針を白紙撤回 2003/12/23
  2003年度支援費制度ホームヘルプサービスの国庫補助金の財源不足問題については、厚生労働省では各部局から節約できる経費を集約する手続きをした結果、不足額を確保できたことは、既にお伝えしましたが、未定だった来年度以降の財源確保策に関し、12月12日、厚生労働省から「当面の措置」として来年度のホームヘルプサービス事業運営の見直し案が、当会に提示されてまいりました。

 これは、(1)ホームヘルプサービス支援費の早朝・夜間等加算の適用の見直し、(2)居宅介護(ホームヘルプサービス)支援費基準額等の見直し、(3)地域区分率の見直し、という3本の柱について見直しを提案しているものでした。

 当会でも各都道府県・指定都市の加盟団体からのヒアリングを行うなどして、この見直し案に関する意見の集約を図りましたが、全体的に見て反対意見が多く、特に(2)にかかる身体介護報酬について「90分を超えて30分増すごとに加算する額」が現行の2190円から830円に大幅削減されていたことについては、強い反対意見が寄せられました。

 また、全身性障害者の移動介護に関して、見直し案では「日常生活支援との一本化を図る」となっていたことについても、重度障害者の生活基盤に関わる事柄であることから慎重な対応を望む意見も多く見られました。

 このほか「そもそもこうしたことが、障害者団体に一切の相談もなく厚労省の独断で行われようとしていること自体が問題であり、障害者団体として一層強い態度で臨むべき」との厳しい指摘もありました。

 また、全日本手をつなぐ育成会など他の障害者団体においても、この見直し案については反対意見が多数を占めたため、当会でも坂口力厚生労働大臣に障害関係7団体での統一要望書を提出いたしました。また、東京都や大阪府などの自治体においても、今回の方針に対する反発が強まっていました。

 厚労省はこうした全国各地からの猛烈な反応を受けて、18日夕刻、厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課・高原弘海課長が「この見直し案を白紙にもどし、事業は現状を当面維持する。今後の対応は厚生労働省が主催する『障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会』にて検討いただけるようにしたい」という方針を示しました。

 また、高原課長は、全日本手をつなぐ育成会など知的障害者団体を巻き込んで大きな問題となっていた、知的障害者グループホームの支援費を来年度から2割削減する厚労省案についても、同時に白紙撤回する意向を示し、一連の混乱は収拾された格好となりました。

 ただ、厳しい国家財政の現状に何ら変わりはなく、厚労省は今回の案を白紙撤回しただけで、削減をしないと決定したわけではありません。国が新・障害者基本計画で高らかに掲げた「入所施設偏重政策からの脱却」という大きな柱は、国みずからの手によって今、粉々に砕かれようとしています。国の動向に対し、一層の注視が必要です


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