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第6回の介護保険勉強会が行われる
~北野誠一氏を迎えて(速報版)
2004/03/06
  この日は北野誠一氏(定籐記念福祉研究会会長)をゲストに、「支援費制度と介護保険制度の展望」を中心に話し合われた。

 北野氏はまず「介護・介助・支援などという用語が違う意味として使われている」ことを問題にし、「共通定義をつくる必要がある」と述べた。

 また介護保険で想定されている介護が、「食事・トイレ・入浴などADLの支援が中心なのに対し、1994年の高齢者介護・自立支援システム研の報告では、“地域社会の一員として様々な活動に参加する”ことの支援を含めた画期的な広い概念が提起されていた」とした。

 さらに「障害者の地域生活支援保障を考えていくには、現在進行中の様々な福祉施策やその他の施策の見直しについても視野にいれ、根本問題を考えていく必要がある」と述べた。その中で「特に障害者差別禁止法の制定の動きと就労・所得保障を注視していく必要がある」とも述べた。

 続いて現行の介護保険の問題点を指摘し、“要介護認定の仕組み”などを挙げ、「一人暮らしの重度障害者を想定しないモデルであった」とした。「ドイツの介護保険がそうであるように、日本も介護保険では基礎的な部分しか保障をできないことを明記し、重度の障害者に対しては自費もしくは社会扶助で対応するということを明確にした方がよい」とした。

 カナダのブリティッシュコロンビア州では、「地域介助システムは自己管理モデルから第三者への委任モデルまで5通りあり、その人に合ったシステムとなっている」とし、「日本でも検討課題である」と語った。

 北野氏の話の後、障害保健福祉部企画課から前回の継続として、措置制度・精神障害者・支援費制度・介護保険の4つの制度における費用負担の制度比較の説明がされた。最大の違いとして「支援費制度は応能負担、介護保険は応益負担である」とし、「それによって支援費制度には世帯単位として扶養義務の問題がついてまわっている」とした。
 次回からは介護保険統合に関して団体として統一した質問や指摘を出し(場合によっては個別のものも含めて)それらをもとに討論をしていこうということとなった。また、多くの障害者関係者が情報を共有しきれていないことも問題とされ、それに対して何らかの対応が必要ということも共通認識となった。


(3月4日発行・障害連FAXレターNo.72(編集人・太田修平氏 = 中央障害者社会参加推進協議会委員)転載

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