2003年に健康増進法が施行されて以降、交通機関など公共施設内での喫煙の制限化が進められてきましたが、ここに来て全面的な禁煙化への流れが加速しています。
JR東日本では、今春のダイヤ改正にあわせ、管内の新幹線と自社線内のみを運行する特急列車を全面禁煙化し、喫煙できる車両は廃止されます。また、同社と相互乗り入れを実施している小田急電鉄と東武鉄道でも、同様の方針を固めています。
JR東海・JR西日本では、今夏のダイヤ改正で導入する新型車両のデッキに「喫煙室」を設けることで、‘喫煙車’を廃止。この新型車両は順次導入される予定で、実質的に全面的な禁煙化が進んでいくものと見られます。
既に全車禁煙化を実施しているJR北海道に続き、JR九州でも全車禁煙の特急列車を拡大。JR四国は2011年度までに全車禁煙化する予定です。
また、全面禁煙化の波は、タクシー事業者にも及んでいます。名古屋タクシー協会では、今年の5月から同協会加盟事業者の運行するすべてのタクシーを
全車禁煙にする方針を明らかにしました。政令指定都市では初めてで、他の都市でも同様の動きが本格化することが期待されます。
こうした公共交通機関で進められる‘全面禁煙’化の背景には、タバコを吸わない人がタバコの煙を吸い込み健康被害を受ける「受動喫煙」の問題があります。肺機能など呼吸器系の障害を持つ人などにとっても、朗報と言えます。
なお、日身連では、1999年から東京・豊島区にある事務局をいち早く全面的に禁煙化するなど、健康な生活習慣の確立への関心と理解の促進を謳った健康増進法の理念の実現に協力しています。
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